ウィリアム・オニール

数ヵ月から2年程度で、数倍~数十倍となる成長株を狙う

ウィリアム・オニール氏はバフェット氏とほぼ同世代で、アメリカを代表する投資家の一人です。

オニールさんの投資戦略は「数ヵ月から2年程度で、数倍~数十倍となる成長株を狙う」というものであり、その独自の投資法は「CAN-SLIM(キャンスリム)」と名付けられています。

この手法は実際に何十倍にも大化けした株1000銘柄以上を詳細に分析して開発したものであり、これによってオニールさん自身のみならず多くの億万長者を生み出してきました。

  • 現在のEPSは 前の決算発表よりも成長しているか?
  • 毎年収益が増えているか?
  • 良い商品、良いマネージメントか?
  • 需要と供給はあるか?
  • 産業をリードしているか?
  • 機関投資顧問に保持されている株か
  • マーケットの方向性を認識しろ
  • パフォーマンスが良い企業は買い、 悪い企業は売る

CAN SLIM(キャンスリム)とは?

  • C = Current earnings(当期利益が良いか?)
  • A = Annual earnings(通年の利益が良いか?)
  • N = New product or service(新製品・新サービスを出しているか?)
  • S = Supply and demand(その銘柄の需給関係が良いか?)
  • L = Leader or laggard?(その銘柄が相場の先導役か?それとも出遅れか?)
  • I = Institutional sponsorship(機関投資家に好まれているか?)
  • M = Market(一歩さがって相場全体の地合いは良いか?)

具体的には、下記のように解説しています。

C 当期利益→EPSは高い方が良い

今期のEPS成長率は前年同期比で最低でも+18%か+20%は欲しい。特別益、特別損などの要因で見かけ上、利益がグーンと伸びたようになっているケースは除外すること。EPSの変化率がだんだん加速しているようなケースが特に好ましい。

A 通年の利益→年間EPSが急成長している方が良い

1年間のEPSが前年比で最低でも+25%程度成長している株が良い。過去3年に渡ってそのような成長率が維持出来ていればなお良い。来年のコンセンサス予想が今年よりくっきりと高い株でなければダメ。株主資本利益率(ROE)は最低でも17%は欲しい。

N 新製品・新サービスが利益成長の原動力であること

新製品や新サービスを出しており、それが消費者や顧客から熱烈に支持されている会社が良い。いわゆる「カルト的」なサポーターを集めている会社を買う事。

S 需給関係

品薄株は上がる時も早いが、下がる時は急落する。だから逃げる必要があるときは躊躇せず切る事。

先導株・出遅れ株

リーダーになっているセクターの一番手銘柄か二番手銘柄だけを買う事。レラティブ・ストレンクス(相対的な株価の強さ)を用いて数値の高い(80%以上)銘柄だけを買う事。

機関投資家の好み

大手投信会社などの機関投資家がちゃんと大株主リストに登場している銘柄を選ぶこと。

相場の地合い

どんなに良い銘柄でも相場全体の地合いがお話にならないくらい弱いときは我慢してもダメ。相場が調整局面に入ったら売れるものから(=一番儲かって無い、ポートフォリオのパフォーマンスの足を引っ張っている銘柄)少し処分して軽くしてゆくこと。

まとめ

「利益成長と株価上昇の強さが際立っている小型株」を狙う。

理想とするのは上場来高値銘柄。

会社が変貌して何十倍というダイナミックな値動きとなっていく局面であり、「上場来高値更新はスタートに過ぎない」と言えるような銘柄を狙う。